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『鑑定士と顔のない依頼人』を考察!ラストはハッピーエンドなのか?

『鑑定士と顔のない依頼人』は2013年に公開されたイタリアのミステリー映画。

ミステリー要素もありながら、恋愛映画としても楽しめる映画になっています。

イタリアのアカデミー賞と言われるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では作品賞、監督賞、美術監督賞、衣裳賞、音楽賞の5部門を受賞しました。

さて本作は緻密な伏線であったり、衝撃のラストが有名ですね。

本記事では『鑑定士と顔のない依頼人』のラストを考察し、感想について解説していきます。




『鑑定士と顔のない依頼人』の作品・キャスト情報

 

作品情報

原題 La migliore offerta(The Best Offer)
公開年 2013年
上映時間 124分
ジャンル 恋愛・ミステリー

 

キャスト

監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
主演 ジェフリー・ラッシュ(ヴァージル・オールドマン)
出演1 シルヴィア・フークス(クレア・イベットソン)
出演2 ジム・スタージェス(ロバート)
出演3 ドナルド・サザーランド(ビリー・ホイッスラー)
出演4 ダーモット・クロウリー(ランバート)
出演5 リヤ・ケベデ(サラ)

 

『鑑定士と顔のない依頼人』のあらすじ

ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

 

ヴァージル・オールドマンは凄腕の鑑定士として活躍。

しかし、ヴァージルは変わった趣味をもち、秘密の個室に女性肖像画を大量に飾るというものだった。

その原因はヴァージルが極度に女性を苦手としているからであった。

ある日、ヴァージルのもとに死んだ両親の屋敷にある美術品の鑑定をしてほしいと女性から依頼がくる。

しかし、依頼人である女性は電話しかでず、姿を現さない。

ヴァージルが何度か屋敷に通ううち、その女性クレアはとある病気で部屋に引きこもっていることを知る。

やがてヴァージルはクレアに興味をもつように。

 

『鑑定士と顔のない依頼人』の感想

ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

 

緻密な伏線

 

『鑑定士と顔のない依頼人』は緻密な伏線がはりめぐらされた映画でした。

何気ないセリフが重要な伏線になっていたり、登場人物の行動も伏線になっていたりするんです。

特にセリフは重要ですね。

これは本作を最後まで観なければ分かりません。

実にうまいなーと思いました。

2回観ても違う視点で楽しめる映画になっています。

 

衝撃のラスト

 

『鑑定士と顔のない依頼人』は衝撃のラストで有名ですね。

本作は一見、愛を知らない孤独な老人の恋愛映画です。

女性を愛せないヴァージルがクレアに出会って心を開き、変わっていく姿が描かれます。

しかし、ラストではそれがひっくり返されます。

「騙された!」って感じでした。

なにが起こるのだろう?と予想しながら観たのですが、うまく仕組んでいます。

ぜひ本作ではラストをお楽しみに!

 

『鑑定士と顔のない依頼人』を考察

ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

 

ここではネタバレを含みますのでご注意ください。

『鑑定士と顔のない依頼人』のラストを考察していきます。

本作のラストの時系列では2つの説があります。

 

・介護施設 (もしくは精神病院)⇒ レストラン(介護施設にいたが、ナイト&デイでクレアを待つ)

・レストラン ⇒ 介護施設(もしくは精神病院)(ナイト&デイでクレアを待ったが、介護施設に行くようになる)

 

私は介護施設(もしくは精神病院) ⇒ レストランの説をとります。

その根拠となるのが、

  • ヴァージルの眼鏡
  • 秘書が渡す郵便物

という2つのアイテムです。

ではその2つのアイテムを考察していきます。

 

ヴァージルの眼鏡

 

ヴァージルの眼鏡に着目してみてください。

介護施設(もしくは精神病院)のときや鑑定士をしていたころ、回想シーンではヴァージルは茶縁の眼鏡をかけていません。

茶縁の眼鏡をかけているのはラストだけです。

なので茶縁の眼鏡をかけているシーンは時系列の最後だと考えられます。

つまり時系列としては、介護施設(もしくは精神病院) ⇒ レストランと考えるのが妥当なのではないでしょうか。

騙されたいたことやクレアを失ったことでヴァージルは大きな精神的ショックを受けました。

その影響で介護施設(もしくは精神病院)に行くことになったのです。

精神的なショックを考えるとあの施設は精神病院でしょうね。

患者に見える人は老人だけではありませんでしたし。

ではなぜヴァージルは精神的ショックから立ち直ったのでしょうか。

そのキーとなるのが秘書から渡される郵便物です。

 

秘書が渡す郵便物

 

秘書が渡す郵便物のなかにもしかしたらクレアからの手紙が入っていたのではないでしょうか。

その手紙に「ナイト&デイで会いましょう」とでも書かれていたのではないかと思います。

クレアは劇中で「プラハの奇妙なレストラン」と言っただけで店名までは明言しなかったはず。

店名を知らなければ、地図までもってナイト&デイに向かうなんてことしないと思うんですよね。

ヴァージルが車いすに乗りながら電話をかけているシーンがあります。

あれは手紙をもらったことでヴァージルはクレアに電話をかけたのではないでしょうか。

手紙をもらったから電話にでるかもしれないと期待して。

電話しているときは明らかにボケている感じではありませんでした。

いずれにせよ、ヴァージルはクレアの手紙をもらったから精神的ショックから立ち直れたと考えられます。

そしてナイト&デイに向かったのだと思います。

ナイト&デイで「お一人様ですか?」と聞かれて即答できなかったのは、本当に来るのか信じられなかったからではないでしょうか。

また、ウキウキした表情をしていなかったのは気持ちの整理がついていなかったからだと考えられます。

愛しているとしても、あれだけ大きく騙されたら100%信じるのは難しいですよね。

それでも期待しているのは、体を傾けて入口のほうをうかがっている姿から分かります。

ナイト&デイはクレアにとって愛する人と行った場所。

だからこそ再会場所をナイト&デイに指定したのだと思います。


『鑑定士と顔のない依頼人』はハッピーエンドか?

ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

 

これは賛否ある問題ですね。

私はハッピーエンドであると思います。

なぜなら「ラストを考察」でも書きましたが、クレアはナイト&デイに来るのではないかと思っているからです。

劇中では描かれませんでしたが、あの後、クレアと再会するのではないでしょうか。

多くの人が来ないと予想しているとは思いますが、私はあえて来ると予想。

クレアはいつしかヴァージルを愛すようになっていたのです。

つまり愛するものどうしが再会するというハッピーエンド。

その根拠となるのが

  • いくつかのセリフ
  • ラストの印

です。

 

いくつかのセリフ

 

たとえ何が起きようと あなたを愛してるわ

(クレアのセリフ)

 

愛を偽ることは可能か?(ヴァージルのセリフ)

芸術品の贋作に本物が潜むなら 偽りの愛にも真実が(ロバートのセリフ)

 

いかなる贋作の中にも必ず本物が潜む(ヴァージルの言葉)

 

「愛は偽りではなく本物」だと示唆しているのではないでしょうか。

つまりクレアの愛は本物だったのではないかと思うのです。

特にクレアのセリフにある「たとえ何が起きようと」。

「たとえ何が起きようと」は詐欺を暗示していると考えられます。

たとえ騙したとしても、クレアはヴァージルを愛していたのです。

だからヴァージルへの愛を再認識したあとで、クレアはヴァージルと再会しようと思ったのではないでしょうか。

 

ラストの印

 

ヴァージルのセリフに以下のようなものがあります。

 

贋作者は自分の印を残したくなる

ほんの小さな何かを描いてみたり

無意識のうちに残す独自の筆の勢いだったり

贋作者自身の感性があらわになる

 

このセリフが暗示していたのがラストでヴァージルが騙されていたことに気づくシーン。

  • ビリー ⇒ 絵画にサイン
  • ロバート ⇒ オートマタ

ビリーとロバートは印を残していました。

しかし、クレアはなにも残していなかったのです。

もしヴァージルに対してなんの感情もなければ、贋作者としてなにかしらの印を残していたのではないでしょうか。

それなのになにも残していなかったのは、ヴァージルに対して特別な感情を抱いていたから。

つまりヴァージルへの愛が本物だったからだと言えます。

ちなみにジュゼッペ・トルナトーレ監督は

わたし自身はポジティブな終わり方だと思っている。

愛を信じる人たちには勝利だし、愛を信じない人には暗いエンディングに思えるのでは

偽りの中にも真実がある。

愛は愛でもあって、偽りでもある

https://www.cinematoday.jp/news/N0057354

とコメントしています。

 

『鑑定士と顔のない依頼人』の評価

ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

 

『鑑定士と顔のない依頼人』の評価はどのようになっているのでしょうか。

冒頭ですこし紹介したとおり、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では作品賞、監督賞、美術監督賞、衣裳賞、音楽賞の5部門を受賞。

さらにイタリアの映画賞であるナストロ・ダルジェント賞では音楽賞と作品賞を含む6部門を受賞しました。

イタリアで多くの賞を受賞していることから、本作が高く評価されていることが分かりますね。

日本でも評価は高くなっています。

では、実際に映画のレビューを見てみましょう。

 

最初から最後まで夢中になって面白い。どんでん返しがある作品は好き!真実を知ってから2回目見るのも楽しいと思う。

どんでん返し映画だと知らないで見た方がいいかも。これ、普通の恋愛映画だと思って見てたら衝撃がすごそう。愛でさえも偽ることができるという人間の本質を描く。伏線もっとあるんだろうけど分からなかった。

何の前知識もなく見始めて、そもそもミステリーだとも思ってなかったから、ハッピーエンドかと思いきやからの大どんでん返しにびっくり。ストーリーが恐ろしくうまくできてる。細かく張り巡らされた伏線がきれいに集約され、最後には心が痛いくらいに切なくなった。

 

という評価がありました。

やはり

  • どんでん返しがすごい
  • 伏線がうまい
  • 2度美味しい映画

という高い評価が多いです。

映画レビューサイト映画.comの点数は5点満点中3.7と高評価でした。

 

【まとめ】『鑑定士と顔のない依頼人』は考察がおもしろい!

ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

 

『鑑定士と顔のない依頼人』の考察を書いてきました。

私が書いたのはあくまで一説です。

観る人によって感じ方や考え方が違うのは当たり前で、いろいろな考察があっていいと思います。

むしろいろいろな考察があったほうが「そういう考えもあるのか」とおもしろいもの。

正解も不正解もありません。

私の説をおもしろいと思ってくれたら幸いです。

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