
『ミッドサマー』は2019年に公開されたとある祝祭を描いたホラー映画。
美しい自然と気さくな現地人が和やかに交流する映画かと思いきや、ホラーな展開が待ち受けています。
とにかく祝祭とされるお祭りが奇妙過ぎてホラーなんです。
監督は『ヘレディタリー/継承』で知られるアリ・アスター。
本記事では『ミッドサマー』はグロいのか?や物語の考察をしていきます。
目次
『ミッドサマー』の作品・キャスト情報
作品情報
原題 | Midsommar |
公開年 | 2019年 |
上映時間 | 147分 |
ジャンル | ホラー |
キャスト
監督 | アリ・アスター |
脚本 | アリ・アスター |
主演 | フローレンス・ピュー(ダニー・アーダー) |
出演1 | ジャック・レイナー(クリスチャン・ヒューズ) |
出演2 | ウィリアム・ジャクソン・ハーパー(ジョシュ) |
出演3 | ウィル・ポールター(マーク) |
出演4 | ヴィルヘルム・ブロングレン(ペレ) |
出演5 | アーチー・マデクウィ(サイモン) |
『ミッドサマー』のあらすじ

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大学生のダニーは両親と妹が死んでしまったことで精神が不安定になっていた。
そんなダニーは恋人のクリスチャンらとともに友人のペレの故郷であるスウェーデン・ホルガ村に行くことに。
スウェーデンのホルガ村に到着したダニーらは現地の人から歓迎を受ける。
ホルガ村は自然豊かで現地人は白い衣装を身にまとっていた。
やがてホルガ村では夏至祭が始まる。
しかし、夏至祭はただの祝祭ではなく、奇妙な儀式を執り行う謎の祭りだった。
奇妙な祝祭が開かれるなか、ダニーらはしだいに恐怖につつみこまれていく。
『ミッドサマー』はグロい?

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結論から言うと、グロいシーンはあります。
しかし、個人差があるので人によってはそれほどグロくは感じないかもしれません。
私はグロ耐性があるので、そんなにグロいとは思いませんでした。
ちなみにどんなグロシーンがあるかというと、
- 崖から飛び降りて顔がグシャグシャになる
- 顔をハンマーで叩き割る
- 遺体が焼かれる
- 死体が運ばれる
- 遺体から臓物が出ている
などがありました。
言葉だけみるとショッキングですよね。
一番、「グロい!」と思ったシーンは「崖から飛び降りて顔がグシャグシャになる」シーン。
ホルガ村では奇妙な儀式があり、老人2人が崖から飛び降りるシーンがあります。
ちなみにこの儀式は神話にも登場し、アッテストゥパンというのだそう。
老女は顔がつぶれ、男の老人は足がちぎれてうめき声をあげます。
そこから……。
グロ耐性がない人はちょっと目をそらしてしまうかもしれません。
ただ、人形だと思っていれば大丈夫かと思います。
全体的にグロいシーンは多いわけではないので、観ようか悩んでいる人はぜひ観てほしいです!
グロい映画と言えば、『グリーン・インフェルノ』もおすすめ。
グロさで言えば、こちらのほうが強烈です。
以下の記事で紹介しています。
関連記事グロい!『グリーン・インフェルノ』(2013)の感想、あらすじを紹介!
『ミッドサマー』はトラウマ映画?

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『ミッドサマー』がトラウマになるかは人によるでしょう。
ただ、トラウマ級の映画であることは間違いありません。
カルト的映画といってもいいでしょう。
とにかくホルガ村の祝祭が奇妙なんです。
はっきり言ってなにがなんだか分かりません。
その薄気味悪さが本作の魅力であり、じわじわくる恐怖も見どころ。
それにくわえグロいシーンや性的なシーンもあるので、かなりカオスです。
- 次は一体なにが起きるのか
- 誰か殺されてしまうのか
- 行方不明になったやつはどうなってしまったのか
そういった好奇心もあり、「わけわからん」となりながらも観てしまいます。
ぜひ本作ではトラウマ級の気味悪さとホラーを味わってほしいです。
『ミッドサマー』の性の儀式

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『ミッドサマー』では多くの儀式が登場しました。
- アッテストゥパン
- スパイラルダンス
- 血のワシ
などなど。
そのなかでも印象的な儀式として、「性の儀式」がありました。
ダニーの恋人であるクリスチャンがホルガ村の女性マヤとやるのですが、これも奇妙なんです。
花に囲まれたマヤにさらに10人ほどの全裸の女性たちが囲みます。
クリスチャンは処女である女性とやるのですが、10人ほどの女性たちも感じるように「あ、あ、あ」と声を出します。
これがホルガ村の「性の儀式」。
ホルガ村の人々は儀式で感覚を共有するのです。
実に奇妙ですよね。
性のことではあるのですが、いやらしさは感じません。
むしろ高尚な感じがします。
結果的に「性の儀式」がクリスチャンとダニーの関係が終わる決定的なできごとになりました。
「性の儀式」を拒否していれば、結末は違ったものになっていたかもしれません。
『ミッドサマー』のラストを考察

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ここではネタバレを含みますのでご注意ください。
では、『ミッドサマー』のラストを考察していきます。
『ミッドサマー』のラストでダニーは微笑みました。
かなり過酷と言える状況のなかで、なぜダニーは微笑んだのでしょうか。
この疑問に対して、アスター監督は次にように脚本に書いているのだそう。
ダニーは狂気に堕ちた者だけが味わえる喜びに屈した。
ダニーは自己を完全に失い、ついに自由を得た。
それは恐ろしいことでもあり、美しいことでもある
個人的な考察としては、精神的にキツイことがありすぎてついに限界を超えてしまったのではないかと思います。
つまり気が狂った。
もともとホルガ村に来る前から精神的に不安定だったダニー。
そこからおかしな儀式に出くわし、クリスチャンの裏切りともいえる行為まで目撃してしまいました。
そしてまだ「好き」という感情が残っていたであろうクリスチャンを焼き殺してしまいます。
普通だったら頭おかしくなってしまうのではないでしょうか。
ダニーのなかで正常な感情をとめていたものが「プツン」と切れたのだと思います。
だからラストでダニーは恍惚ともとれる微笑みを見せたのだと考えられます。
ラストではそれまでの不気味さがなくなり、美しさを感じました。
『ミッドサマー』の評価

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『ミッドサマー』の評価はどのようになっているのでしょうか。
国内と外国で評価が違うようです。
アメリカの映画レビューサイトRotten Tomatoesでは批評家支持率が89%、平均点は10点満点で7.93点と高評価になっています。
しかし、国内の映画レビューサイト映画.comでは5点満点中3.2と低評価。
Filmarksでは3.6となっています。
賛否あるのですが、やや否のほうが多い感じですね。
日本では受け入れられなかったようです。
では、実際に映画のレビューを見てみましょう。
とりあえず吐き気。気味悪い。観たら後悔する。
わからなさすぎて、感想が書けない映画ははじめて。難しすぎるし、誰の感情もわからない。逆に新鮮ではあった。
すべて観終わって、なぜだか不快感。全体的にはありだと思うけど、不快感。不思議な気持ちになる映画でした。
多くの評価をしめているのが、
- 分からない
- 不思議
- グロい
- 気味悪い
といったコメントです。
確かに本作は難しい映画です。
実は緻密な伏線や神話とのつながりがあったりするのですが、解説がないと分かりません。
なので「不気味さ」や「得体の知れない怖さ」を楽しむ映画であると思います。
【結論】『ミッドサマー』がグロいかは人による!

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結論として『ミッドサマー』がグロいかは人によります。
私は全然平気でした。
もちろん人によっては「グロ過ぎて無理!」とかいう人もいるでしょう。
こればっかりは人の感覚なのでなんとも言えません。
ただ、「不気味」「薄気味悪い」といった気持ちは間違いなくあります。
本作ではこのなんとも言えない不思議なホラー感覚を味わってください!
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