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『パンズ・ラビリンス』は2006年に公開されたスペイン内戦を描いた映画。
内戦を描く映画ではありますが、奇妙な生物(クリーチャー)や魔法の世界もでてくるダークファンタジーな映画でもあります。
監督は『シェイプ・オブ・ウォーター』でも知られるギレルモ・デル・トロ。
アカデミー賞では撮影賞、美術賞、メイクアップ賞の3部門を受賞しました。
本記事では『パンズ・ラビリンス』は怖いのか?や物語の考察をしていきます!
目次
『パンズ・ラビリンス』の作品・キャスト情報
作品情報
原題 | El laberinto del fauno(Pan's Labyrinth) |
公開年 | 2006年 |
上映時間 | 119分 |
ジャンル | ファンタジー・ドラマ |
キャスト
監督 | ギレルモ・デル・トロ |
脚本 | ギレルモ・デル・トロ |
主演 | イバナ・バケロ(オフェリア) |
出演1 | セルジ・ロペス(ビダル大尉) |
出演2 | マリベル・ベルドゥ(メルセデス ) |
出演3 | アリアドナ・ヒル(カルメン) |
出演4 | アレックス・アングロ(Dr.フェレイロ) |
出演5 | ロジェール・カサマジョール(ペドロ) |
『パンズ・ラビリンス』のあらすじ
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1944年、スペイン内戦時代。
少女オフェリアは母カルメンと一緒に母の再婚相手であるビダル大尉のもとに向かっていた。
しかし、ビダル大尉はアフェリアに冷たく接し、カルメンのお腹の中にいる子どもにしか興味を示さなかった。
やがてオフェリアは不思議な世界に引き込まれ、パンという怪物に出会う。
パンは「あなたこそは地底の王国の姫君だ」とオフェリアに告げ、3つの試練を与える。
内戦は激しさを増していき、悲しい日々がオフェリアに訪れてしまう。
『パンズ・ラビリンス』は怖い?
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結論から言うと、『パンズ・ラビリンス』は怖くありません。
どちらかというと胸が痛くなる映画です。
私自身、もっとファンタジーな内容かと思っていたら、全然違いました。
オフェリアという少女をとおして内戦・戦争の悲惨さを伝える戦争映画に近いものでした。
確かに怪物みたいなのがでてくるので、怖そうという印象をもつかもしれませんが怖くないです。
実際、そこまで頻繁にでてくるわけではなく、ほとんどがスペイン内戦に関するシーン。
なので怖いと思って観るのをためらっているのなら大丈夫と言いたいです。
ただ、内戦の映画なので痛々しいシーンがあるのは事実。
そのため映画はR12指定になっています。
ファンタジーな世界と戦争を融合させ、独特な世界観をつくりだしたギレルモ監督はさすが!
ぜひダークファンタジーな世界を観てください!
『パンズ・ラビリンス』を考察
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『パンズ・ラビリンス』のファンタジーな世界を考察していきます。
本作はオフェリアが怪物と交流したり、魔法の世界に迷いこむ映画にもなっていました。
果たしてあのファンタジーな世界はなんだったのでしょうか。
あの世界はオフェリアの心を反映した世界だと考えられます。
つまり、オフェリアの「つらい現実から逃れたい」という願望がファンタジーな世界として出現したのです。
無垢な少女からすれば残酷な戦争はとてもつらかったと想像できます。
しかも父親を亡くし、新しい父ができることで心も不安定だったこともあるでしょう。
その新しい父はビダル大尉という冷酷非道な男であり、オフェリアに冷たく接していました。
そういった現実から逃れたいために、彼女は魔法の世界(アフェリアの想像の世界)をつくりあげたのです。
その証拠と考えられるのが、以下の2つの理由から。
- オフェリアのセリフ
- ビダル大尉にはパンが見えない
ではひとつずつ解説していきます。
オフェリアのセリフ
物語の中盤で以下のようなオフェリアのセリフがあります。
私の弟 大事な弟
私の話を聞いて
外の世界は平和じゃないわ
(中略)
悲しいことが多い日々だけど
ママの笑顔を見ればあなたもママを愛するわ
いいこと
言うとおりにしてくれたら約束する
私の王国に連れていき王子にするわ
約束よ あなたは王子様
このセリフから考察できるのはオフェリアが現実を悲観していること。
「外の世界は平和じゃない」という言葉から分かります。
そして、「私の王国に連れていき王子にするわ」というセリフ。
平和な世界を望むオフェリアの気持ちがあの魔法の世界をつくったと言えるでしょう。
ビダル大尉にはパンが見えない
ラストのほうでビダル大尉がパンとオフェリアに出くわすシーンがあります。
しかし、ビダル大尉にはパンが見えていないのです。
ということは、怪物はオフェリアの「妄想」と言えるのではないでしょうか。
もし現実にいるとするならビダル大尉にも見えているはずです。
全編をとおして怪物や魔法の世界にあうのはオフェリアだけでした。
となると、やはり怪物も魔法の世界もオフェリアが想像した世界なのだと思います。
『パンズ・ラビリンス』のラストはバッドエンドなのか?
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ここではネタバレを含みますのでご注意ください。
では、『パンズ・ラビリンス』のラストを考察していきます。
『パンズ・ラビリンス』のラストはバッドエンドなのでしょうか。
これは意見が分かれるラストですね。
ハッピーエンドとも言えるし、バッドエンドとも言えます。
が、個人的にはバッドエンドじゃないかなと思います。
なぜならオフェリアは死んでしまったから。
彼女はまだ少女ですし、現実の世界では悲しいことばかりにあっていました。
やはり現実の世界で平和に暮らしてほしかったので、バッドエンドかなと思います。
余談ですが、本作のラストは『タイタニック』を想起させましたね。
『パンズ・ラビリンス』の評価
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『パンズ・ラビリンス』の評価はどのようになっているのでしょうか。
冒頭ですこし紹介したとおり、アカデミー賞では3冠(撮影賞、美術賞、メイクアップ賞)を獲得し、英国アカデミー賞やゴヤ賞なども受賞しています。
本作は67の賞を受賞、58のノミネートを受けました。
国際的に高く評価されていることが分かります。
では、実際に映画のレビューを見てみましょう。
何より着目すべきは、そのストーリーテリングの巧みさ。おどろおどろしいビジュアルに目を奪われがちだが、観客を幻想の世界に誘う語り口は見事だし、伏線の張り方も素晴らしい。
少女を取り巻く現実はとてもつらい。しかし現実が暗ければ暗いほど、彼女の幻想は光を帯びた。映画史上最も美しい鼻血が見られる映画であり、私は何度も見たくなる。
最初から引き込まれた。ダークファンタジーというのですか。結構グロイシーンもあった。現実とシビアな描写とファンタジー世界を交互に描かれますが、地続きでどっちがどっちでもないという感じ。色々解釈ができそうで好みの映画でした。
という評価がありました。
ギレルモ監督のイマジネーションあふれる世界観が高い評価を受けているようです。
なかには「グロい」という声も。
確かに残虐的なシーンがあったり、トラウマになりそうな怪物がでてきたりもしました。
しかし、個人的にはそこまでグロくはないかなと思います。
映画レビューサイト映画.comの点数は5点満点中3.6と高評価でした。
【結論】『パンズ・ラビリンス』は怖くない!
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結論として『パンズ・ラビリンス』は怖くないです。
確かにトラウマになるような怪物もでてきたり、残虐なシーンもあります。
しかし、ギレルモ監督らしい不思議な世界観がそれを中和してくれました。
大人のダークファンタジーな世界は本作の見どころポイント。
ぜひ、ダークな世界観を味わっていただければと思います。