
『くちびるに歌を』(2015)は2015年に公開された青春映画。
アンジェラ・アキの名曲『手紙〜拝啓 十五の君へ〜』をもとにした本作は、美しい五島列島を舞台にし、合唱を通じて成長していく少年少女、そして元ピアニストの臨時教師、柏木ユリの心温まるストーリー。
ぴあ映画の新作映画を対象とした満足度調査では13作品中1位を獲得しました。
さらに、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて ゆうばりファンタランド大賞(観客賞)イベント賞を受賞し、東京新聞映画賞も受賞。
生きる意味についても問うた感動的な青春映画『くちびるに歌を』(2015)について、あらすじと感想、ロケ地や名言を紹介していきます!
映画『くちびるに歌を』(2015)の作品・キャスト情報
作品情報
タイトル | くちびるに歌を |
公開年 | 2015年 |
上映時間 | 132分 |
ジャンル | 青春 |
キャスト情報
監督 | 三木孝浩 |
脚本 | 持地佑季子/登米裕一 |
主演 | 新垣結衣(柏木ユリ) |
出演1 | 木村文乃(松山ハルコ) |
出演2 | 桐谷健太(塚本哲男) |
出演3 | 恒松祐里(仲村ナズナ) |
出演4 | 下田翔大(桑原サトル) |
出演5 | 葵わかな(関谷チナツ) |
出演6 | 渡辺大知(桑原アキオ) |
出演7 | 佐野勇斗(向井ケイスケ) |
映画『くちびるに歌を』(2015)のあらすじ

©︎アスミック・エース
長崎県五島列島のとある中学校の合唱部。
その合唱部で顧問をしていた音楽教師の松山ハルコは産休にはいることになったため、代わりの臨時音楽教師として柏木ユリを東京からよびよせる。
柏木ユリはハルコの代わりに合唱部の面倒をみることに。
しかし、その美貌から男子の入部希望者が殺到。
女子だけであった合唱部には桑原サトル、向井ケイスケ、三田村リクなど男子が入部。
かつては天才ピアニストだったと噂されたが、ピアノを弾こうとしない不愛想なユリ、ユリが目当てで入っただけの不真面目な男子部員。
合唱コンクール出場を目指す合唱部に暗雲が立ち込める。
映画『くちびるに歌を』(2015)の感想

©︎アスミック・エース
心温まる青春映画
冒頭でも紹介しましたが、『くちびるに歌を』(2015)は心温まる感動的な青春映画になっています。
では、どこがそれほど感動できるのか。
- 苦悩を乗り越えて成長していく
- 合唱部、そして先生の絆
- 主題歌『手紙〜拝啓 十五の君へ〜』の合唱
大きく分けて上記の3つがあげられます。
そのなかでも一番大きなポイントは1番にあげた”苦悩を乗り越えて成長していく”です。
本作のキーパーソンとなるのが、柏木ユリ、桑原サトル、仲村ナズナの3人。
この3人はそれぞれ苦悩を抱えています。
過去に最愛の恋人を事故で亡くし、自分を責め続けてピアノからも逃げていた柏木ユリ。
母を病気で亡くし、父親にも捨てられ、「自分なんて生まれてこなければよかった」と悩む仲村ナズナ。
「自分が生まれてきた意味は兄を支えること」だと思い、自閉症の知的障害を抱えた兄を支える引っ込み思案な桑原サトル。
この3人を軸にしてストーリーが展開していき、それぞれが合唱を通じて成長していく姿、ギクシャクしていた柏木ユリと生徒達が互いに寄り添っていく姿が大きな感動を呼び起こします。
心温まる本当に良い映画。
主題歌『手紙〜拝啓 十五の君へ〜』の合唱が胸に響く
合唱コンクールで歌われる『手紙〜拝啓 十五の君へ〜』が感動的です。
曲自体、名曲でとても良い曲なのですが、物語を通じて最後に聞いてみると、さらに良い曲に聞こえますし、胸に響きます。
練習に練習を重ねてきた部員たち、不仲だった女子と男子が協力し合うようになっていく過程、心を開かなかったユリが部員と打ち解けていく姿。
それらがこの1曲に凝縮されています。
『くちびるに歌を』(2015)を観終わると、絶対、『手紙〜拝啓 十五の君へ〜』を聞きたくなりますし、改めてこの曲が素晴らしい音楽だと気づかされます。
ぜひ、聞いてみてください!
映画『くちびるに歌を』(2015)のロケ地は?
映画『くちびるに歌を』(2015)のロケ地となっているのは、長崎県の五島列島。
五島列島は長崎港から西に100kmに位置し、北東側から南西側に80kmにわたって大小あわせて152の島々からなります。
人口は約7万人なのだそう。
本作は五島列島を中心に全編に渡り長崎県で行われました。
ロケ地となっている五島列島はとても美しい自然があります。
海の見えるシーンも良いのですが、一番心に残った美しいシーンは草原(丘?)でのシーン。
そこで合唱練習したりするのですが、青空と緑がとても映え、さらに風がそよいで大自然を感じさせる、きれいで印象的なシーンとなっていました。
また、エンディングとなる空から五島列島を映したシーンも美しかったです。
本作の魅力の一つはこの美しい自然であることは間違いありません。
五島列島に行きたくなってしまいますね。
興味をもった方はぜひロケ地を訪れてみてはどうでしょうか。
【ネタバレあり】『くちびるに歌を』(2015)の結末

©︎アスミック・エース
マイバラードを合唱
合唱コンクールで『手紙〜拝啓 十五の君へ〜』を歌うシーンも感動的でしたが、最後もさらに感動的なシーンが待っていました。
そのシーンとは、会場で聞くことのできなかったアキオのためにサトルを含めた合唱部員、そして他の中学の合唱部員もいっしょになって歌うというシーン!
次々と合唱の輪ができていくシーンは胸に響きました。
ちなみに、この最後の歌となる挿入曲は『マイバラード』です。
教科書に載っていたり、合唱したことのあるかたも多いのではないでしょうか。
素敵な曲ですね。
また、エンディング前となるユリと合唱部員の別れのラストシーンも素敵でした。
サトルの兄のキャストは誰?
サトルの兄、桑原アキオを演じたのは渡辺大地です。
彼は俳優、映画監督、ロックバンド・黒猫チェルシーのボーカル(2018年活動休止)を務めるというミュージシャンでもあります。
自閉症という知的障害を抱えた難しい役柄でしたが、見事に演じていました。
きっと相当な努力をしたに違いありません。
ちなみに、『くちびるに歌を』(2015)以外には、『色即ぜねれいしょん』(2009)、『勝手にふるえてろ』(2017)に出演しています。
『くちびるに歌を』の名言

©︎アスミック・エース
『くちびるに歌を』に何度か出てくる名言はドイツの詩人、ツェーザー・フライシュレンの『くちびるに歌を』の詩です。
心に太陽を持て 山本有三・訳(改定版)
心に太陽を持て。
あらしが ふこうと、
ふぶきが こようと、
天には黒くも、
地には争いが絶えなかろうと、
いつも、心に太陽を持て。唇に歌を持て、
軽く、ほがらかに。
自分のつとめ、
自分のくらしに、
よしや苦労が絶えなかろうと、
いつも、くちびるに歌を持て。苦しんでいる人、
なやんでいる人には、
こう、はげましてやろう。
「勇気を失うな。
くちびるに歌を持て。
心に太陽を持て。」
そしてこの詩を選び出し、信長貴富が『くちびるに歌を─Hab’ ein Lied auf den Lippen─』という題名で2005年に東海メールクワィアーの委嘱により、男声合唱組曲として作曲しました。
深い素敵な詩ですね。
もしかしたら原作者の中田永一はこの詩の内容も作品のメッセージとして取り入れたのではないでしょうか。
心に太陽を持って前進していきたいものです。
『くちびるに歌を』(2015)の評価
『くちびるに歌を』(2015)の評価を紹介していきます。
映画レビューサイトでのレビューをいくつかまとめると、
「大人になろうとする子どもたちとの、合唱を通じたふれあいを描いた心温まる作品でした。マイバラードも良い味出してました、、!」
「照れくさくなるほどクサいのだけど、こうまでストレートに語られたら感動してしまうじゃないか。」
「真っ直ぐな感動作。最後の小さな奇跡は久しぶりにグッときた。」
など「感動する」「心温まる」「泣ける」という評価・レビューが目立ちました。
3つの映画レビューサイトの平均点数は5点満点中4.0という高評価。
個人的にも心温まる良い映画だと思うので、4.0をあげてもいい作品だと思います。
『くちびるに歌を』(2015)のまとめ
五島列島のきれいな風景、素晴らしい合唱、心温まるストーリーが魅力的な『くちびるに歌を』(2015)。
合唱部員の少年少女が成長していく姿は素敵だし、柏木ユリが辛い過去を乗り越えていく姿も勇気づけられ感動的でした。
彼らの方言もなんとも可愛らしくて魅力的です。
「方言萌え」ってやつですね。
とても良い青春映画でした!
原作では、また違った内容になっていますし、映画と変わらず、おもしろい青春小説となっているのでぜひ原作も読んでみてください!
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