『百瀬、こっちを向いて。』は2014年に公開された恋愛映画。
原作は中田永一の短編小説『百瀬、こっちを向いて。』であり、女性の圧倒的な支持を得てベストセラーとなりました。
先輩に頼まれ、嘘の恋人を演じていくという青春恋愛ストーリー。
ももいろクローバーの元メンバー、早見あかりが初主演に、宮崎瞬を演じた工藤阿須加は日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞しました。
思春期の甘酸っぱく、切ない恋を描いた『百瀬、こっちを向いて。』(2014)について、あらすじと感想、ラストの違いを紹介していきます!
目次
映画『百瀬、こっちを向いて。』(2014)の作品・キャスト情報
作品情報
タイトル | 百瀬、こっちを向いて。 |
公開年 | 2014年 |
上映時間 | 108分 |
ジャンル | 恋愛 |
キャスト情報
監督 | 耶雲哉治 |
脚本 | 狗飼恭子 |
主演 | 早見あかり(百瀬陽) |
出演1 | 竹内太郎(相原ノボル) |
出演2 | 工藤阿須加(宮崎瞬) |
出演3 | 石橋杏奈(神林徹子) |
出演4 | 向井理(相原ノボル) |
出演5 | 中村優子(神林徹子) |
出演6 | ひろみ(田辺) |
映画『百瀬、こっちを向いて。』(2014)のあらすじ
処女作『初恋』を刊行し、母校で講演するため故郷へもどることにした相原ノボル。
駅に到着すると、かつてのマドンナだった神林徹子に出会う。
ノボルと徹子、徹子の娘の3人は喫茶店に入り、高校生のころの思い出話をする。
高校1年生のノボルは教室で障害物のような存在だった。
そんなノボルに昔からの知り合いであった先輩の宮崎瞬はある日、ノボルの教室に来て、ノボルを連れていく。
宮崎瞬が連れて行ったのは図書館であり、そこで待っていたのは宮崎瞬の彼女である徹子ではなく、百瀬陽だった。
瞬は二股疑惑を解消させるため、ノボルに百瀬の彼氏を演じて欲しいと頼み込み、百瀬とノボルの偽りの恋人関係が始まる。
映画『百瀬、こっちを向いて。』(2014)の感想
映画全体の雰囲気はよかった
『百瀬、こっちを向いて。』(2014)では高校生の初々しい恋が描けていました。
映像が奇麗であったし、ピアノの音楽が切ない感情をうまく表現していたと思います。
基本的には原作の世界観を忠実に再現してありましたし、ストーリーもあまり変わりはなく楽しめました。
しかし、映像や映画全体の雰囲気はよかったのですが、演技経験の少ない新人俳優たちが中心となっているだけあって、出演者の演技がイマイチであり、そこが残念だったかなと。
決して見られないほどではないのですが、感情がよく見えない部分(感情のこもっていないセリフや泣きの演技)が目についてしまいますね……。
もっと経験豊富だったり、演技のうまい役者がやったらもっと映画として完成度の高い作品になっていたのではないかと思いました。
監督の耶雲哉治も本作がデビュー作のようなので、そこらへんも影響あるのかもしれません。
決してつまらないというわけではありませんが、原作が良いだけに少し残念……。
キャスティングの失敗か……。
まあ、新人俳優たちが演じていると演技に目をつぶれば、青春恋愛映画として楽しめます。
映画の主題歌が良かった
エンディングで流れる映画の主題歌が良かった!
WEAVERの『こっちを向いて』。
思春期のピュアな恋心であったり、切ない恋心を表現しているようで、映画の雰囲気にぴったり。
特に前奏のピアノのメロディーが印象的で、映画が終わったあとに流れると、胸に迫るというか、感情を揺さぶられます。
何度でも聞きたくなるような素敵な曲。
ぜひ聞いてみてください!
映画『百瀬、こっちを向いて。』(2014)のラストの違いは?
映画版と原作ではラストに大きな違いがありました。
映画版のラストで大人になった相原ノボルがすれ違った女性は百瀬陽だったのでしょうか。
そんな偶然はないでしょうけど、個人的には百瀬陽であって欲しい。
というのも、もしそうであったら結構、意味のあるラストになるのではないかと。
つまり、ノボルは百瀬だと気づいたけれど、百瀬はノボルに気づかず行ってしまった。
ノボルの初恋はやはり切ない片思いで、百瀬にこっちを向いてもらえなかった、というわけです。
それをラストの「すれ違い」でも表現した。
想いはすれ違い、別々の道を行くという意味を込めていたのではないかと思います。
ちなみに原作のラストでノボルは百瀬に告白をします。
ノボルは東京の大学へ進学することになり、博多駅のホームまで見送りにきた百瀬に「実はずっと好きだったんだ」と告白。
返事は明かされていませんが、原作と実写では全く違うラストになっていました。
映画『百瀬、こっちを向いて。』(2014)の評価・レビュー
『百瀬、こっちを向いて。』(2014)の評価・レビューを紹介していきます。
映画レビューサイトでのレビューをいくつかまとめると、
「恋が苦しいことを知った主人公と実らない恋をしている彼女を見ていて胸が苦しくなりました。とても切なかったですが自分と重ね合わせたらボロボロ泣いちゃいました、、青春ってこうだな〜って!」
「百瀬の、好きな人のために役に立ちたいという気持ちがみていてとても切なくなった。」
「切なくて、ほっこりして、しまいには泣いてしまう映画です。」
「眩しすぎる!眩しすぎて、直視できなくなりそうな感じの映画でした(笑)」
など、やはり「切ない、甘酸っぱい」という評価・レビューが多く、主演の「早見あかり良かった」という早見あかりを評価するレビューも数多くあります。
しかし、3つの映画レビューサイトの平均点数は5点満点中3.0というあまり高くない評価。
その理由は「役者の演技が気になってしまった節はあった」「演技があんまり好きじゃなかったなぁ」という演技に関する低評価がありましたが、演技さえ気にしなければ、思春期の甘酸っぱく切ない恋愛を楽しめる映画と言えるでしょう。
個人的には点数は3.5だと思います。
やはり役者の演技がどうしても……という点がぬぐえません。
映画『百瀬、こっちを向いて。』(2014)のまとめ
思春期のピュアな恋心、好きなのに振り向いてくれない切ない感情を描いた『百瀬、こっちを向いて。』(2014)。
役者の演技の拙さはありますが、青春の甘酸っぱい雰囲気を味わうにはとてもいい映画になっています。
逆に言えば、若手俳優の初々しい演技を観ることができます。
現役高校生が観るのもいいですが、大人になった人に、ドロドロの恋愛をしている人にこそ観てもらいたい作品。
中田永一の原作もおもしろいのでおすすめ!