
『マチネの終わりに』(2019)は2019年に公開された恋愛映画。
クラシック・ギタリストの蒔野聡史役に福山雅治、国際ジャーナリストの小峰洋子役に石田ゆり子がキャスティングされています。
全編を通してクラシック・ギターの音楽が鳴り響いていた映画は、原作の世界観をうまく引き出しており、大人のラブストーリーの雰囲気をつくりあげていました。
運命のイタズラですれ違う2人の男女を描いた大人のラブストーリー『マチネの終わりに』(2019)について、あらすじと感想、名言や原作との違いを紹介していきます!
映画『マチネの終わりに』(2019)の作品・キャスト情報
作品情報
タイトル | マチネの終わりに |
公開年 | 2019年 |
上映時間 | 123分 |
ジャンル | 恋愛 |
キャスト情報
監督 | 西谷弘 |
脚本 | 井上由美子 |
主演 | 福山雅治(蒔野聡史) |
主演 | 石田ゆり子(小峰洋子) |
出演1 | 伊勢谷友介(リチャード新藤) |
出演2 | 桜井ユキ(三谷早苗) |
出演3 | 木南晴夏(中村奏) |
出演4 | 板谷由夏(是永慶子) |
映画『マチネの終わりに』(2019)のあらすじ

©︎東宝
クラシック・ギタリストの蒔野聡史は、公演後の楽屋の前でレコード会社の是永慶子に連れられてきた小峰洋子出会う。
洋子はパリの通信社に勤務する国際的なジャーナリストであり、蒔野が大好きな『幸福の硬貨』の映画監督、イェルコ・ソリッチの娘でもあった。
その後、公演の打ち上げに関係者らと共に蒔野と洋子は参加し、2人は惹かれ合っていくが、洋子にはニューヨークで暮らすリチャードというフィアンセがいたのである。
関係者と一緒に店を出て、蒔野は洋子をタクシーに乗せてその夜は別れることに。
しかし、パリへ戻った洋子はテロに遭遇してしまい、心に傷を負ってしまう。
映画『マチネの終わりに』(2019)の感想

©︎東宝
ラブシーンで魅せる
映画『マチネの終わりに』(2019)では主演の福山雅治と石田ゆり子が大人の魅力を発揮しています。
蒔野聡史役の福山雅治は天才ギタリストという芸術家らしく、モテそうな雰囲気がぴったりでしたし、石田ゆり子も聡明で奇麗な女性というイメージの小峰洋子役にぴったり。
お2人とも50歳とは思えないほど見た目が若々しいのですが、確かに時を重ねてきたという大人の色気もあり、そんな相反するような魅力がにじみ出ていました。
特に2人の印象的だったシーンは濃厚なキスを交わすラブシーン。
ラブシーンはたった一度しかないのですが、それ故に印象深く、ドキドキするくらい甘くとろけるようなキスは、大人の魅力がある2人だからこそ画になっていたのではないかと思います。
ちなみに福山雅治はクラシックギターはゼロからのスタートで、クランクインの3ヵ月前から特訓し、撮影中もギターを手放さない日々が続いたそうです。
一方、石田ゆり子はフランス語と英語を2ヵ月かけて特訓。
2人とも自然とこなしていたので、これほど特訓していたとは。
大人の魅力はもちろん、福山雅治のクラシックギターの演奏、石田ゆり子の話す英語、フランス語にも注目してみてください。
原作の世界観をそのままにした芸術的な映画
映画『マチネの終わりに』(2019)は原作の世界観をそのままに、芸術的な映画になっていました。
近年では稀になっている35mmフィルムで全編を撮影し、原作の持つ繊細な世界観をつくりあげています。
音楽ではクラシックギターの音色が響いていて、耳に心地よく、音楽の面でも芸術性を感じました。
しかし、本作は映像と音楽だけでなく、海外のロケ地という点でも芸術性を高めているのではないかと思います。
ロケ地となったのは、東京、ニューヨーク、パリ。
パリは芸術の都であるし、ニューヨークもお洒落な感じがあり、そんな海外のロケーションが芸術的だと感じたのではないかと。
蒔野が演奏するコンサートホール、サル・ガヴォ―も素敵でした。
映画『マチネの終わりに』(2019)の考察

©︎東宝
ここでは「果たして三谷早苗は悪人といえるのか」について考察していきます。
悪人という名称が適切ではないかもしれませんが、三谷早苗はまあ悪人だと思います。
しかし、早苗のインパクトがあり過ぎて、かすんでいますが、蒔野も早苗と同じようなことをやっているんです、実は。
なぜなら蒔野はフィアンセがいることを知りながら、洋子に愛の告白をし、仲を引き裂こうとしたから。
早苗も蒔野と洋子が惹かれ合っていると知りながら、2人の仲を引き裂いた。
そして洋子も蒔野のもとへ行ったことでフィアンセを一度は裏切り、夫となるリチャードは後に浮気をして離婚します。
『マチネの終わりに』は俯瞰的に見れば、皆、他人を裏切るような行為をしているんですよね。
「切ない」という言葉に隠れて、実は(視点を変えれば)略奪愛であったりもするわけです。
しかし、これが人間というものではないでしょうか。
そして、この作品に触れて改めて思うのは、私たちの人生を左右しているのは神ではなく、生きている人間なんだということです。
人間の欲望、嫉妬といった感情が自分の見えないところで自分の人生を運命を大きく変えているのだと思います。
映画『マチネの終わりに』の名言

©︎東宝
映画版では原作の名言がそのままセリフになっていました。
「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。」
このセリフも良いのですが、映画ではこちらのセリフが印象に残りました。
「もし洋子さんが地球のどこかで死んだって聞いたら僕も死ぬよ。」
福山雅治が言うと、胸に響きますし、男でも惚れ惚れしてしまいます。
福山雅治しか似合わない愛のメッセージではないかと。
なかななか言えないですね、こんな愛の告白は。
ぜひ、小説『マチネの終わりに』の名言を言う福山雅治と石田ゆり子の声を聞いてください。
【ネタバレあり】映画『マチネの終わりに』(2019)の結末

©︎東宝
原作と映画の結末は一緒でした。
セントラルパークの池がある場所で蒔野と洋子が再会します。
2人の微笑みが印象的な最後でした。
しかし、小説も映画も2人の再会で終わってしまうので、その後が描かれていません。
果たして蒔野と洋子はどうなるのでしょうか。
一緒に人生を歩んでいくのか、また別々の人生を歩むのか。
これは推測するしかありませんが、個人的には別々の道を歩むと思います。
しかし、『マチネの終わりに』の裏テーマが「略奪愛」であったとしたら、もしかしたら洋子は早苗から蒔野を奪い返し、一緒に人生を歩むのかも……。
想像が膨らみますね。
できれば蒔野には今ある家族を大切にして欲しいです。
『マチネの終わりに』の原作と映画の違い

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原作は毎日新聞とnoteで連載され、2016年に毎日新聞社より発行された平野啓一郎による同名小説。
『マチネの終わりに』の原作と映画の違いは以下のような違いがありました。
『マチネの終わりに』の原作と映画の違い
- 映画ではパリでテロに遭うが、原作ではバグダッド
- 映画で日系人になっている洋子の婚約者であるリチャードは、原作では普通のアメリカ人
- 映画で洋子の同僚であるフィリップは死ぬが、原作は死なない
- 映画では蒔野の師匠である祖父江は死んでしまうが、原作では死なない
- 原作で洋子は父、イェルコ・ソリッチと会って話をするが、映画では会うシーンはない
- 映画では蒔野の師匠である祖父江が病院に運ばれた時、マネージャーの三谷は同行していたが、小説では友達と会っていた
- ニューヨークで洋子と三谷が再会した時、映画では三谷から嘘のメールを告白している
- 映画では洋子と三谷が再会した時の聖書の話がカットされている
- 映画では蒔野に子供がいたが、原作ではまだ妊娠中
細かくすればもっとありますが、大きくわければこのような違いがありました。
しかし、基本的には原作を忠実に再現していたと思います。
原作が気になる方は以下の記事も読んでみてください!
映画『マチネの終わりに』(2019)の評価・レビュー

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映画『マチネの終わりに』(2019)の評価・レビューを紹介していきます。
映画レビューサイトでのレビューをいくつかまとめると、
「キラキラ映画とは違い、しっかりと描かれていて大人の鑑賞に堪えうる作品でした。」
「まるで絵画を観ているような映画。未来が過去を変える、とても考えさせられるテーマでした。」
「風景と音楽が素敵で、そして良い男と良い女の同年代の大人のピュアな恋愛に共感しました。未来が過去を変えるという言葉にも自分の経験などを照らし合わせて、納得できました。」
などの評価・レビューがありました。
やはり「大人のラブストーリー」というレビューが多い印象。
また、「音楽がよかった」という音楽に対する評価も高かったです。
3つの映画レビューサイトの平均点数は5点満点中3.6という評価。
映画『マチネの終わりに』(2019)のまとめ

©︎東宝
全編を通して芸術的な映画に仕上がっていた『マチネの終わりに』(2019)。
音楽は素敵でしたし、映像も美しかったです。
また、主演の2人の大人の色気がとても魅力的で惹きつけられました。
原作ほどの深さはありませんでしたが、映画は映画なりの良さがあったのではないかと思います。
静かだけど、情熱的な大人のラブストーリーが味わいたい人にはおすすめ。
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