ヒューマンドラマ 映画の感想

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』は実話?モデルとなった本人の現在は?

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』は目の病気で視力の95%を失った青年が、五つ星ホテルで働く夢に挑む、実話をもとにしたヒューマンドラマ映画。

本国ドイツでは笑いとさわやかな感動で観客を魅了し、動員数100万人を記録する大ヒット!

夢を諦めない青年が奇跡を起こす『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』について、どこまでが実話なのか、モデルとなった本人の現在、感想について解説していきます!




『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』の作品・キャスト情報

 

作品情報

原題 Mein Blind Date mit dem Leben
公開年 2017年
上映時間 111分
ジャンル ドラマ

 

キャスト

監督 マルク・ローテムント
脚本 オリヴァー・ツィーゲンバルク/ルート・トマ
主演 コスティア・ウルマン(サリー)
出演1 ヤコブ・マッチェンツ(マックス)
出演2 アンナ・マリア・ミューエ(ラウラ)
出演3 ヨハン・フォン・ビューロー(クラインシュミット)
出演4 ミヒャエル・A・グリム(クローン)
出演5 キダ・コードル・ラマダン(ハミード)

 

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』のあらすじ

ⒸKino Films Co., Ltd.

 

ドイツに住む高校生サリーはある日、目の病気を患い、視力の95%を失ってしまった。

父親に盲学校行きを勧められるが、断固拒否。

妹の協力を得ながら耳で勉強し、努力の末に普通の高校を卒業する。

その後、サリーは一流のホテルへ勤めるという夢を叶えるため、数々の一流ホテルにエントリー。

しかし視力が原因でなかなか採用されない。

そこでサリーは視覚障害があることを隠してエントリーシートを送ると、ミュンヘンの五つ星のホテルから面接に進んで欲しいとの通知が。

無事、面接をパスし研修生として働くことになったサリーであったが、やはり弱視であることが働く上でネックになってしまう。

人々の親身的なサポートで、なんとか課題をクリアしていくが……。

 

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』は実話?実話との違いはある?

ⒸKino Films Co., Ltd.

 

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』は自伝をもとにした実話です。

目が見えないことを隠してミュンヘンの五つ星ホテルに挑んだ、サリヤ・カハヴァッテという実在の人物がモデル。

彼の著書である『My Blind Date with Life』は、10代の頃にほぼ全盲に近くなってしまった彼の自伝です。

95%の視力を失ったにも関わらずホテルマンに挑むという、にわかには信じがたい嘘のような実話なのです。

しかし、映画と実話では多少の違いがあったようです。

映画では最終的にサリーは友人であるマックスとレストランを開く道を選ぶのですが、実話ではホテルで働く道を選びました。

そのホテルでは15年間、周囲に視力がほぼないことを隠して仕事をやり通したのだそう。

15年間隠せたことには驚きですね。

そこには本人の並々ならぬ努力と映画のように友人の温かいサポートがあったからでしょう。

 

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』のモデルとなった本人は?

ⒸKino Films Co., Ltd.

 

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』のモデルとなった本人は、サリヤ・カハヴァッテ。

スリランカのシンハラ民族の血を引くドイツ人です。

15歳のころ視力の95パーセントを失いましたが、高校、大学を卒業。

その後ホテルの見習いとして働き、接客業と美食調理法においてキャリアを積んでいきます。

ちなみに映画でサリーを演じたコスティア・ウルマンとは全く似ていません。

本人はコスティア・ウルマンのようなイケメンではなく、スキンヘッドで眼鏡をかけています。

彼はその後、どうなったのかというと、アーユルヴェーダ料理の料理家として活躍。

講演者としての顔も持ち、ドイツ語圏の国々で講演を行い、自身の半生を語る活動を行っています。

現在はドイツ・ハンブルグに住み、仏教徒として修業を積みながら、アーユルヴェーダ料理に情熱を注いでいるのだそう。

 

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』はドイツの社会問題にも言及

ⒸKino Films Co., Ltd.

 

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』はドイツの社会問題にも言及していました。

例えば移民問題

移民であるスリランカ人の父を持ったサリーがわざと名前を間違えられるシーンがありました。

またホテルの厨房で出会ったアフガニスタンの移民ハミードは、以前は外科医だったにもかかわらず皿洗いとして働いています。

申請が下りず、正式に働くことができていなかったのです。

監督のマルク・ローテムは移民問題について次のように触れています。

作品の中には移民の物語も含まれる。

この物語でサリヤのいわゆる「障がい」は大なり小なり僕たちそれぞれが持っている欠点の鏡だ。

ローテム監督は、サリヤの「障がい」を「鏡」と表現することによって、本来「障がい」=移民問題は、全ての人間の問題であると指摘しています。


『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』のキャスト・スタッフ

ⒸKino Films Co., Ltd.

 

プロデューサーは日本人?

 

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』のプロデューサーは樋口洋子さんという日本人です。

彼女はドイツの映画会社CONSTANTIN FILMに就職。

17年間バイヤーとして活躍し、その後プロデューサーに転身しました。

8歳のときに両親の仕事の関係で渡独し、ドイツ語もわからないなか多くの人に支えられたという経験が、本作のサリーの境遇と重なり、製作に大きく影響したそう。

製作で苦労した点については

この作品は50%コメディ、50%深刻ですからバランスがすごく難しいんですね。

その部分で監督とシナリオライターの二人での討論がたくさんありました。

とコメント。

本作は彼女の2本目のプロデュース作品となっています。

 

監督はベルリン国際映画祭でも受賞した社会派?

 

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』の監督であるマルク・ローテムはドイツの映画監督です。

『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』(2005)という伝記映画で、ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀監督賞)を受賞。

上記の作品はアカデミー賞外国語映画賞の候補にもなりました。

 

主演俳優は日本映画にも出演?

 

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』の主演俳優は、コスティア・ウルマン

演劇監督のドイツ人の父とインド人バレリーナの母を持つハーフです。

ルーツ(ドイツと南アジア系のハーフ)という点では、主人公サリーと共通点がありました。

彼は主にドイツで活躍する俳優ですが、なんと日本映画にも出演しています。

その作品というのが、『バルトの学園』(2006)

『バルトの学園』(2006)は第一次世界大戦中、捕虜となったドイツ兵と地元住民の交流をもとにした映画であり、松平健、國村隼、阿部寛、高島礼子などが出演。

コスティア・ウルマンは捕虜となったドイツ兵ヘルマン・ラーケという人物を演じました。

 

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』の感想

ⒸKino Films Co., Ltd.

 

『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』は、さわやかな感動と勇気を与えてくれる映画でした。

視力の95%を失ってしまったにもかかわらず、ホテルマンの夢を諦めず努力するサリーのひたむきさに胸を打たれます。

私たちは何か困難にぶつかった時、できない言い訳を見つけて諦めてしまうことが多いのではないでしょうか。

しかし、本作を観るとそれがいかに甘いことかを痛感します。

サリーはできない言い訳をせず、「どうすれば普通の人と同じような仕事ができるか」を考え試行錯誤しました。

普通なら絶望してふさぎ込んでしまうところを、サリーは「運がよかった。まだ(視力が)5パーセント残ってる」とポジティブシンキング。

また、そんな彼の人格に惹かれるように、彼の周りには周囲の人々の温かなサポートがありました。

特にマックスとの友情は感動的でしたし、妹の献身的な支えは家族愛を感じました。

夢を諦めようか迷っている人。

この先どうすればいいか不安を抱えている人。

そんな方にはぜひ観て欲しい映画です!

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