『スナッチ』は2000年に公開されたアメリカ、イギリスの合作コメディ映画。
ガイ・リッチー監督作品であり、犯罪を題材にした痛快なコメディ映画になっています。
一応、主演はジェイソン・ステイサムになってはいますが、本作は群像劇となっており、何人ものキャラクターが出てくるために主演感はあまりありません。
あってないようなものです。
スピーディーな展開とまるでパズルをあてはめていくかのような見事な脚本『スナッチ』(2000)について、あらすじと感想、タイトルの意味などネタバレを交えて紹介していきます!
目次
『スナッチ』(2000)の作品・キャスト情報
作品情報
原題 | Snatch |
公開年 | 2000年 |
上映時間 | 103分 |
ジャンル | コメディ |
キャスト情報
監督・脚本 | ガイ・リッチー |
出演1 | ジェイソン・ステイサム(ターキッシュ) |
出演2 | スティーヴン・グレアム(トミー) |
出演3 | ブラッド・ピット(ミッキー・オニール) |
出演4 | ベニチオ・デル・トロ (フランキー) |
出演5 | レニー・ジェームズ (ソル) |
出演6 | ロビー・ギー(ヴィニー) |
出演7 | エイド(タイロン) |
出演8 | アダム・フォーガティ(ゴージャス・ジョージ) |
出演9 | アラン・フォード(ブリックトップ) |
『スナッチ』(2000)のあらすじ
フランキー率いる強盗団は、86カラットの大粒ダイヤモンドを強奪。
ダイヤモンドをニューヨ―ク・マフィアのボス・アビーへ届ける途中、小粒の盗品を売るためにロンドンに寄るが、フランキーの裏では、密かな裏切りが進んでいた。
一方、ロンドンには非合法である賭けボクシングのプロモーターをしているターキッシュとトミーの2人組がいた。
2人はパイキー(流浪民)の一人で素手ボクシングのチャンピオンだったミッキーと出会い、彼を賭けがある非合法ボクシングの八百長に使おうとする。
その頃、裏切り者の罠とは知らず、賭けボクシングが開催されるノミ屋へと向かうフランキーと彼を襲うために雇われた3人組であったが、ダイヤモンドの行方は二転三転していく。
物語のカギを握るのは一匹の犬!?
スナッチ(snach)の意味は?
タイトルにもなっているスナッチ(snatch)の意味は、ひったくる、かっぱらう、強奪する、という意味があります。
〔人が物を〕ひったくろうとする
〔チャンスなどに〕飛びつく
他動
〔物や人を急に〕つかむ、しがみつく
〔物を急に〕動かす、取り去る
〔機会を逃さず〕~を手に入れる[獲得する]
〈話〉(人)を誘拐する[さらう]
名
〔人や物を急に〕つかむ[しがみつく]こと
〔物や時間などの〕少し、一部分
〈話〉誘拐、拉致
〔重量挙げの〕スナッチ
〈卑〉〔女性の〕外性器、女陰
映画の内容からして「かっぱらう」という意味が適当なのではないかと思います。
『スナッチ』(2000)はダイヤモンドをかっぱらい合う映画なので。
『スナッチ』(2000)の感想
緻密なストーリーとテンポ感抜群の展開
『スナッチ』(2000)はまるでパズルをはめていくような緻密なストーリー構成になっており、ラストでは伏線が回収されて「お見事!」と叫びたくなるような気持になります。
もちろん、緻密さだけでなく、スピーディーでテンポの良い展開も魅力的。
全く飽きずに観られることができますし、二転三転していくダイヤモンドの行方、予測不能な展開に惹きつけられます。
似ている作品は何だろう……。
本好きな人なら分かるかと思いますが、伊坂幸太郎みたいな感じ!
しっかりと伏線を張っておいて最後に回収し、カタルシスを得るみたいな、あんな感じで全ての登場人物の行動、バラバラな物語が最後につながるという物語です。
ちなみに脚本を担当したのもガイ・リッチー。
さすが「鬼才」と呼ばれるだけはありますね。
本作はラストまで気が抜けません!
魅力的な登場人物たち
『スナッチ』(2000)は群青劇となっており、多くの登場人物たちが出てきます。
基本的にはマフィアのような犯罪がらみのキャラクターたちではありますが、皆それぞれ個性が際立っており、魅力的。
スピーディーな話の中に次々と登場人物が出てくるため、初めはキャラや相関図を把握するのに苦労します。
一応、口頭での説明はありますが、結構大変……。
そんな多くの登場人物のなかではブラット・ピット演じるミッキーが良く、ブラット・ピットのたくましい肉体美と迫力のあるボクシングのアクションシーン、どれも最高です。
それにしてもブラピ演じるミッキー、最後にやってくれましたね。
しかし、本作でカギを握るのは人間ではなく、犬なんです。
犬を重要アイテムにしてしまう(観ている時はただのペットくらいにしか思わなかった)ところに、ガイ・リッチー監督が「鬼才」と呼ばれる所以もあるのでしょう。
【ネタバレあり】『スナッチ』(2000)のカギは犬!?
『スナッチ』(2000)ラストのネタバレです。
上記していましたが、本作最後のカギを握るのは犬。
本作の中で二転三転していた86カラットの大粒ダイヤモンドは犬が咥えてかっぱらってしまい、飲み込んでしまうというラストになります。
そのダイヤモンドを飲み込んだ犬をパイキー(流浪民)の様子を見にきたターキッシュとトミーが警察の疑いの目をそらすためにペットと偽って犬を拾う。
しかし、その犬からは「ピーピー」と変な音が鳴るために獣医に見せるとクツとゴムボールとダイヤモンドが出てきたため、ターキッシュとトミーはダイヤを売る。
実はこのラストシーンがオープニングシーンにつながっていたというわけですね。
また、「ピーピー」鳴るゴムボールを犬に飲み込ませたのは、実はダイヤを取り出すための伏線になっていたわけです。
ラストでトニーに抱えられた犬が車に乗って通過していくのを、ソルとヴィニーが切ない表情で見送るのは笑えました。
『スナッチ』(2000)の評価・レビュー
『スナッチ』(2000)の評価・レビューを紹介していきます。
映画レビューサイトでのレビューをいくつかまとめると、
「テンポも良く、適度なブラックユーモアも有り、センスの良さが感じられる作品でした。かなり面白かったです。」
「残酷なんだけどコメディさがあるから緩和されて後味が悪くない!オーシャンズ的なぬけカッコよさがある!」
「みんな個性があってみんな好きになりました。あんなに広げてるのにうまくたためてるのが凄い。音楽もテンポもブラピもステイサムも非常に素晴らしく非の打ち所がなかった。」
など「テンポがイイ」「ユーモアがある」という評価・レビューが多くありました。
目立った低い評価としては「登場人物が多すぎる」というレビューがありました。
確かに登場人物は多く、冒頭から一気に紹介されると混乱してしまうかもしれません。
3つの映画レビューサイトの平均点数は5点満点中3.8という高評価。
個人的にも3.8の作品だと思います。
『スナッチ』(2000)のまとめ
小気味良いストーリーと魅力的な登場人物で楽しませてくれた『スナッチ』(2000)。
音楽も洒落た感じで良いし、何よりバラバラだった物語が最後につながるという脚本が見事でした!
ユーモアも効いていた本作はまさに傑作犯罪コメディ!
初期作品ではありますが、ガイ・リッチー監督らしい映像の使い方などもあわせてお楽しみください!