スタンリー・キューブリックと言えば、巨匠と呼ばれる映画監督であり、数々の芸術的、独創的な名作を世に送り出してきました。
彼の有名な作品としては『時計じかけのオレンジ』『シャイニング』『2001年宇宙の旅』などではありますが、それ以外にも面白い作品があります。
そこで本記事ではスタンリー・キューブリック作品の中からおすすめの映画ベスト10を発表していきます!
目次
スタンリー・キューブリック監督のおすすめ映画ベスト10
1.『時計じかけのオレンジ』(1971)
斬新な映像手法やクラッシック音楽が印象的なバイオレンス映画
暴力やセックス、レイプなど人間の「悪」の部分を全面的に押し出した作品でありながら、斬新な映像手法や第9、威風堂々などのクラッシック音楽を効果的に使い、独特な世界観を築きあげた名作映画。
カルト的な人気を誇ったことから模倣犯があらわれたり、スタンリー・キューブリック監督のもとに多数の脅迫状が寄せられ、イギリスでは上演禁止になったという問題作でもあります。
痛々しい暴力表現があるため、そういった表現が苦手な人には向いていませんが、耐性がある人にはぜひ1度は観ていただきたい映画。公開から約50年経った今でも根強い人気を誇っています。
作品情報
ジャンル:ドラマ・ブラックコメディ
上映時間:137分
レビュー平均点数:3.7
傑作度:
ストーリー性:
芸術性:
出演者:マルコム・マクダウェル、ウォーレン・クラーク、ジェームズ・マーカス、パトリック・マギー、スティーヴン・バーコフ、アンソニー・シャープ
2.『シャイニング』(1980)
スティーヴン・キング原作の傑作ホラー映画
スティーヴン・キングの小説を映画化したホラー映画。 冬に閉鎖されてしまうホテルにジャック・トランス一家が管理人として滞在するが、そのホテルには前管理人が家族を斧で殺して自殺したといういわくつきのホテルだった。
やがてそのホテルでは怪奇現象があらわれ始め、ジャックは憑りつかれたように狂っていく、というストーリー。全編で流れる不気味な音楽、エレベーターから噴き出し流れる大量の血、殺されたはずの姉妹がポッと出たりするなど、予想以上にホラーな内容となっています。
また、主人公ジャックを演じたジャック・ニコルソンの狂気に満ちた怪演にも注目。ホラー映画の名作です。
作品情報
ジャンル:ホラー
上映時間:119分
レビュー平均点数:3.7
傑作度:
ストーリー性:
芸術性:
出演者:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース、バリー・ネルソン、フィリップ・ストーン、ジョー・ターケル
3.『2001年宇宙の旅』(1968)
人類の進化を壮大な音楽と圧倒的な映像美で描き出す哲学的なSF超大作
人類の進化、宇宙、地球外生命体などをテーマに壮大なクラシック音楽と圧倒的な映像美で描き出したSF超大作。公開から50年以上経った今でも語り継がれるまさにSF映画の名作であり、本作が50年以上前につくられたというのが信じられないほど。
名作には間違いないのですが、内容は極めて難解。人類の進化、AIの反抗、地球外生命体、とかなり哲学的な映画であり、ストーリー性はほぼなく人によっては眠くなるかもしれません。
特にラストの部屋でのシーンは解釈がとても難しいです。しかし、クラシック音楽の使い方や斬新かつ圧倒的な映像美は素晴らしいので、ぜひ1度は観ていただきたい作品です。アカデミー賞では特殊視覚効果賞を受賞しました。
作品情報
ジャンル:SF
上映時間:141分
レビュー平均点数:3.9
傑作度:
ストーリー性:
芸術性:
出演者:キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルベスター、ダグラス・レイン、ダニエル・リクター、レナード・ロシター、マーガレット・タイザック
4.『フルメタル・ジャケット』(1987)
ベトナム戦争を描く2部構成の戦争映画
ベトナム戦争を描いた映画で前半は海兵隊の訓練所での過酷な訓練、後半はベトナムでの戦争を描いています。
前半での見どころは教官であるハートマンの罵倒、罵声(テレビなら絶対放送できない禁止用語)が常に飛ぶ中での過酷な訓練に耐え抜く若い志願兵たち。その中の1人は精神が狂ってしまいます。
後半の見どころは臨場感のある戦闘シーン。実際に戦地にいるかのようなカメラワークで撮られており、戦闘で死にゆく兵士、生き残る兵士をリアルに描き、「戦争」というそのものをありのままで伝えた映画です。兵士が歌う歌も印象的。
作品情報
ジャンル:戦争ドラマ
上映時間:116分
レビュー平均点数:3.9
傑作度:
ストーリー性:
芸術性:
出演者:マシュー・モディーン、ヴィンセント・ドノフリオ、R・リー・アーメイ、アーリス・ハワード、アダム・ボールドウィン、ドリアン・ヘアウッド、ビン・メージャー・ハワード
5.『現金に体を張れ』(1956)
現金強奪計画が思わぬ方向へ転がっていく
スタンリー・キューブリックが28歳でハリウッドデビューした記念すべき作品。巧みな脚本と革新的なカメラワークはこのデビュー作で卓越した才能を見せています。
5人の仲間を集めて競馬場での現金強奪を計画したが、その情報が仲間のうちの1人の妻に知られてしまい、計画は思わぬ方向へ展開していくというストーリー。前述しましたが、ストーリーテリングがしっかりしていて、予測不能の展開へ突き進んでいきます。
もちろんラストも予想だにしない決着。ハリウッドビュー作にしてこの出来とはさすがスタンリー・キューブリックです。
作品情報
ジャンル:クライムサスペンス
上映時間:85分
レビュー平均点数:3.9
傑作度:
ストーリー性:
芸術性:
出演者:スターリング・ヘイドン、エリシャ・クック、ジョー・ソウヤー、ジェイ・C・フリッペン、テッド・デコルシア、マリー・ウィンザー、ヴィンス・エドワーズ、ティモシー・キャリー、コーラ・クワリアーニ、コリーン・グレイ
6.『博士の異常な愛情』(1964)
核戦争による人類滅亡を描いたブラックコメディ
核戦争による人類滅亡を描いたブラックコメディ映画。『博士の異常な愛情』は略称であり、正式なタイトルは『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』というとても長いタイトルになっています。
核戦争で人類滅亡という現代にも通ずる内容となっており、核シェルター(地下への退避)、人類選別などが会話により描かれます。ブラックユーモア満載なのですが、冷戦やナチスについて知らないとよく分からないかもしれません。
第二次世界大戦時代に流行ったというポップな歌にのせて核爆発が繰り返されるシーンはブラックユーモア過ぎます。
作品情報
ジャンル:戦争・ブラックコメディ
上映時間:93分
レビュー平均点数:3.9
傑作度:
ストーリー性:
芸術性:
出演者:ピーター・セラーズ、スターリング・ヘイドン、ジョージ・C・スコット、スリム・ピケンズ
7.『ロリータ』(1962)
中年男が美少女を溺愛する映画
ロリコンの語源にもなったナボコフの有名小説『ロリータ』を実写化した作品。中年男のハンバートが下宿先の未亡人の娘である美少女ドロレス(ロリータ)に惹かれる。
やがてハンバートはロリータと2人きりで旅に出るようになるが……という中年男が少女を溺愛するストーリー。その溺愛ぶりはどこか病的でもあります。
サスペンス的な要素も含まれており、終盤の伏線回収で謎が明かされる場面も。ロリータ役のスー・リオンがとても美しく魅力的なので注目です。
作品情報
ジャンル:ドラマ・ロードムービー
上映時間:152分
レビュー平均点数:3.4
傑作度:
ストーリー性:
芸術性:
出演者:ジェームズ・メイソン、スー・リオン、シェリー・ウィンタース、ピーター・セラーズ、ロイス・マクスウェル
8.『アイズ ワイド シャット』(1999)
トム・クルーズとニコール・キッドマンのリアル夫婦が共演
スタンリー・キューブリック監督の遺作。夫婦の嫉妬をテーマとした作品であり、夫婦役を演じたのは当時実際に夫婦でもあったトム・クルーズとニコール・キッドマンです。
ニコール・キッドマンの奇麗な身体と本当の夫婦である2人のリアルなラブシーンが印象的。しかし、一番は中盤にある仮面をつけた不気味な集会(秘密のパーティー)です。
その集会(秘密のパーティー)では仮面をつけたほぼ裸の女性たちが映されていき、彼女たちは仮面をつけた男とどこかの部屋へ。全体的にダークな印象が漂うある夫婦を描いた作品。
作品情報
ジャンル:ヒューマンドラマ
上映時間:159分
レビュー平均点数:3.4
傑作度:
ストーリー性:
芸術性:
出演者:トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、シドニー・ポラック、マリー・リチャードソン、トッド・フィールド、ヴィネッサ・ショウ
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9.『バリー・リンドン』(1975)
農家から貴族に上りつめたレドモンド・バリーの数奇な人生を描く
農家の出であるレドモンド・バリーが貴族に上りつめる波乱万丈な人生を描いた映画。レドモンド・バリーの栄光と転落を追っていきます。
初恋の女性をかけて決闘し村から追い出され、イギリス軍に入って戦場に出たり、警察のスパイになったり、上流階級で賭博をしたりと、かなり波乱万丈。2部構成のロングスパンで彼の人生を追っていくため、上映時間は3時間と長めです。
アカデミー賞では撮影賞、歌曲賞、美術賞、衣裳デザイン賞の4部門を受賞。18世紀のヨーロッパを見事に再現した美術品や豪華な衣装にも注目です。
作品情報
ジャンル:ヒューマンドラマ
上映時間:185分
レビュー平均点数:3.8
傑作度:
ストーリー性:
芸術性:
出演者:ライアン・オニール、マリサ・ベレンスン、ゲイ・ハミルトン、レオナルド・ロッシーター、パトリック・マギー、フランク・ミドルマス、レオン・ヴィタリ、マリー・キーン、マーレイ・メルヴィン
10.『突撃』(1957)
第1次世界大戦の戦争映画
第1次世界大戦、フランス軍を舞台にした映画。ダックス大佐はミロウ大将からの無謀な突撃命令に抗議したが、突撃は失敗。
その責任を追及され、ダックス大佐の部下から兵士3名が選ばれ形式だけの軍法会議にかけられる。ダックス大佐は部下を弁護するが……というストーリー。
戦争の映画ですが、現代に通じる部分があります。上司の理不尽な命令や誤った行動に抗議できる(自分の意見を言える)か、部下に責任をなすりつけず、部下を守るのか、など理想のリーダーとは?理想の組織とは?と考えさせられる映画です。
作品情報
ジャンル:戦争
上映時間:87分
レビュー平均点数:3.9
傑作度:
ストーリー性:
芸術性:
出演者:カーク・ダグラス、ラルフ・ミーカー、アドルフ・マンジュウ、ジョージ・マクレディ、ウェイン・モリス、クリスティアーヌ・ハーラン
スタンリー・キューブリック監督のおすすめ映画のまとめ
スタンリー・キューブリック監督のおすすめ映画ランキングベスト10を発表しました。
まだ観ていない作品はあったでしょうか。
スタンリー・キューブリック監督は、宇宙時代の到来、AI、核戦争、人間選別などまるで現代を予言しているかのような作品も多いです。
彼の作品を観ればその非凡な才能を感じられるはず。
気になった作品(できれば全作品)を観て、ぜひスタンリー・キューブリック監督のファンになってください!