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池井戸潤の直木賞受賞作!『下町ロケット』最高のエンターテイメント小説がここに

『下町ロケット』は2010年に発行された池井戸潤による小説。

本作は直木賞を受賞、山本周五郎賞にもノミネートされた作品であり、池井戸潤を代表する小説にもなっています。

また、本作はwowow、TBSでドラマ化。

wowowでは主演に三上博史、池内博之、綾野剛、渡部篤郎らのキャストで、TBSでは主演に阿部寛、土屋太鳳、吉川晃司らのキャストで放送されました。

さらに小説でもテレビドラマでも続編が製作されるという人気ぶり。

累積売り上げは130万部を突破したミリオンセラー!

ロケットエンジンをめぐり、様々な人間の思いが交錯したドラマ『下町ロケット』について、あらすじと感想、作品の魅力をネタバレを交えて紹介していきます!




『下町ロケット』(池井戸潤) の情報

作品情報

著書:池井戸潤
出版社:小学館
初版発行:2010年
ジャンル:ドラマ

冒頭を試し読み

「いよいよだな。ああ、なんだかドキドキしてきたよ」緊張感が漲る発射管制塔内で、同僚の三上孝が上擦った声を出した。佃航平は、モニタ画面に表示されている射点の様子を一瞥し、画面右端に出ている風速表示を確認した。相変わらず秒速十五メートルの強い風が吹いている。「打ち上げ八分前になりました。カウントダウン開始します。これより、自動カウントダウン・シークエンスに移行します」   『下町ロケット』本文より

『下町ロケット』(池井戸潤) のあらすじ

佃製作所の社長・佃航平は、主要取引先の京浜マシナリーから、エンジン部品の内製化方針ということで、突然、取引終了の宣告を受ける。

佃と殿村は白水銀行の融資担当者である柳井に3億円の融資を頼むが断られてしまい、会社に戻ると東京地方裁判所から訴状が送付されていた。

送り主は競争相手のナカシマ工業。

ナカシマ工業は佃製作所の高性能小型エンジン、ステラの技術を特許侵害で訴え、九十億円の損害賠償を請求する。

マネシマ工業と揶揄されるナカシマ工業は裁判を有利に進めるため、顧問弁護士に技術畑出身の変わり種を集めていたが、佃製作所は特許に詳しい弁護士がいなかった。

【ネタバレあり】『下町ロケット』(池井戸潤) の感想

感動のエンターテイメント

池井戸潤の直木賞受賞作『下町ロケット』は感動的なエンターテイメント作品になっています!

では、どこが感動的になっているのか、その大きな理由を占めているのが読み応えのあるストーリーであり、困難に次ぐ困難が佃製作所を襲ってきます。

京浜マシナリーの取引終了に始まり、ナカシマ工業の特許侵害の訴え、資金繰り、さらには巨大企業・帝国重工との特許技術の攻防、帝国重工への部品供給へのテスト……と次々に襲ってくる危難。

これほど困難がふりかかってくるのは、数ある池井戸潤作品の中でも上位ですね。

しかし、これほどの苦難の中を乗り越えていき、夢を叶える姿が圧倒的に面白く、感動してしまうのです!

どんな状況の中でも諦めない彼らを見ていると、勇気や希望をもらえる、そんな素敵な小説。

人間ドラマも濃い

『下町ロケット』はストーリーだけでなく、濃い人間ドラマだって面白い!

佃製作所社員VSナカシマ工業&帝国重工の社員、佃と社員の対立、銀行&弁護士との関係、親子関係……とそれぞれの野望や思惑、疑念、挫折、情熱が絡んだかなり骨太な人間ドラマが描かれています。

特に注目していただきたいのは、佃製作所社員VS帝国重工社員ですね。

巨大企業である帝国重工の社員は基本的に中小企業である佃製作所の社員を見下しているのですが、それに屈せず見返してやろう!という、そこの一致団結して部品供給を勝ち取るドラマが面白いです!

『下町ロケット』では濃密な人間ドラマもお楽しみください!


『下町ロケット』(池井戸潤) の名言

ここでは『下町ロケット』の名言を紹介していきます!

『下町ロケット』の名言

・人間の本性が現れるのは、平時ではなく、追い詰められたときである。

・肝心なことは、後悔しないことだな。そのためには、全力をつくすしかない。

・いまさらじたばたしてもはじまらないよ。腰を据えてぶつかってこい。

・信用っていうのはな、ガラス製品と同じで一度割れたら元にもどらないんだよ。

・仕事っていうのは、二階建ての家みたいなもんだと思う。一階部分は、飯を食うためだ。必要な金を稼ぎ、生活していくために働く。だけど、それだけじゃあ窮屈だ。だから、仕事には夢がなきゃならないと思う。それが二階部分だ。夢だけ追っかけても飯は食っていけないし、飯だけ食えても夢がなきゃつまらない。

以上、『下町ロケット』の名言でした。

特に印象的だったのは最後に紹介した名言。

仕事についてとても考えさせられます。

結構、飯を食うためだけに仕事をしている人って多いのではないでしょうか。

実際、自分もそうなのですが、飯を食うためだけに仕事をしていると、時々「何をしてるんだろう?」と思うことがあります。

だから夢がなければいけないとは、思うのですが、夢だけ追いかけてもしょうがない……。

理想と現実の天秤が難しいですね。

『下町ロケット』(池井戸潤) の評価・レビュー

『下町ロケット』の評価・レビューを紹介していきます。

レビューサイトでのレビューをいくつかまとめると、

「理系でなくてもわかるように書かれた技術の秘密。展開の巧みさ。そしてラストの痛快さ。何度読んでも面白い。」

「話の展開にだらけた部分がなく、主人公の佃がぽんぽんと困難を乗り越えていくのは単純に楽しい。」

「ストーリーはとても面白く、何とか解決することはうすうすわかっていても、ハラハラしながら読みました。」

と、高評価の声が続出!

「働くとは何かについて考えさせられる」といったレビューも多くありました。

ここまでの高評価は、さすが池井戸潤の直木賞作品といったところでしょうか。

ちなみにアマゾンのレビュー点数は4.6。

個人的には4.5をあげていい作品だと思います。

『下町ロケット』(池井戸潤) のまとめ

池井戸潤の直木賞受賞作品『下町ロケット』。

困難に次ぐ困難、手に汗握る展開と、魅力的なキャラクターがからんだ濃い人間ドラマ、そしてラストの逆転劇。

様々な要素で楽しませてくれた最高のエンターテイメント小説でした!

きっと勇気や希望をもらえることでしょう。

「働く」とは何かについても教えてくれる池井戸潤の代表作をぜひ読んでみてください!



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