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世界で読み継がれる名作『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユーゴー)感想や魅力を解説!

『レ・ミゼラブル』はフランス人作家ヴィクトル・ユーゴーの大傑作。

パンを盗んだことで19年間、牢獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンを中心に超骨太の人間ドラマが描かれています。

愛、革命、貧困、尊厳など様々なテーマで描かれた『レ・ミゼラブル』はかなりの分量があって長いですが、それ故に、深い感慨をもたらしてくれます。

ミュージカル化、映画化もされ、世界中で愛された名作。

紹介している角川文庫は上下2巻とコンパクトになっているのでおすすめ。

ヴィクトル・ユーゴーの超名作『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユーゴー)について、あらすじと感想、作品の魅力をネタバレを交えて紹介していきます!




『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユーゴー)の情報

作品情報

著者:ヴィクトル・ユーゴー
出版社: 岩波文庫、 新潮文庫、潮出版社、講談社、ちくま文庫、河出書房新社、集英社、角川文庫
初版発行:1862年(フランス)
ジャンル:海外小説、ドラマ

冒頭を試し読み

一八一五年、シャール・フランソワ・ビアンヴニュ・ミリエルはディーニュの司教を務めていた。年は七十五歳。一八〇六年から、司教用の屋敷に暮らしていたのである。ディーニュにやってきたとき、ビアンヴニュは十歳若いが年配の妹バティスティーヌを連れてきた。二人は、妹と同じ歳の“マダム・マグロアール”と呼んでいる召使いだけを同行させていた。        『レ・ミゼラブル』(角川文庫)本文より

『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユーゴー)のあらすじ

1815年、ディーニュのミリエル司教のもとへ、ひとりの男が訪れる。

彼の名はジャン・ヴァルジャン。

囚人として19年もガレー船で強制労働をしていた。

どこに行こうと追い出されていたジャン・ヴァルジャンであったが、司教は迎え入れる。

しかし、その夜、銀の食器をジャン・ヴァルジャンは盗んでしまう。

翌朝、彼を捕らえた警察官に対して司教は「彼に恵んだ品だ」だと告げて釈放させ、二脚の燭台も彼に差し出す。

何かから逃れるような姿で、ジャン・ヴァルジャンは街からでた。

『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユーゴー)の感想

ジャン・ヴァルジャンの生涯に感動

『レ・ミゼラブル』はたくさんの登場人物がでてきますが、そのなかでも主人公になっているのがジャン・ヴァルジャン。

姉の7人の子供達のために1本のパンを盗んで逮捕されてしまい、それから19年間もの間を監獄で過ごすことに。

監獄から出たあとから、『レ・ミゼラブル』の物語が始まるのですが、ジャン・ヴァルジャンの生涯が胸にせまります。

罪人であった過去を捨て、自分を犠牲にし、世のため人のため、愛するもののために生きていく。

しかし、世の中はそううまくいかない。

ジャヴェール警部やテナルディエが邪魔をしてくるのです。

それでも愛するコゼットのために生きるジャン・ヴァルジャンに感動!

“愛”を描いた『レ・ミゼラブル』

愛、革命、貧困、尊厳など様々なテーマで描かれた『レ・ミゼラブル』ですが、ヴィクトル・ユーゴーが一番描きたかったのは“愛”なのではないかと。

ラストのほうで

“誰かを愛するほかに、この世には大切なことなどひとつもない”

という名言がありました。

『レ・ミゼラブル』の全てがこの名言に集約されているのではないかと思います。

ジャン・ヴァルジャンは愛に生きたといえるのではないでしょうか。

コゼットの夫となるマリウスも同じ。

人類で最も偉大なのは愛ではないか。

『レ・ミゼラブル』を読むと心からそう思えてきます。

『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユーゴー)の名言

ここでは『レ・ミゼラブル』に出てくる名言を紹介します。

・誰かを愛するほかに、この世には大切なことなどひとつもない

・海よりも広いものがある。それは空だ。空よりも広いものがある。それは人の心だ。

名言を2つ紹介しました。いかがでしょうか。

とても胸に響く名言ですね。

生きていくうえで覚えておきたい言葉です。




『レ・ミゼラブル』小説と映画の違いは?

ここでは2012年に公開された 映画版『レ・ミゼラブル』と小説の違いについて解説します。

映画版『レ・ミゼラブル』(2012)はミュージカル化されたものを映画化していますが、そこまでの違いはありません。

ただ、細かなエピソードが変えられていたり、登場人物の個々のエピソードなどはだいぶカットされています。

あれだけの長い物語を映画の尺に収めようとすると、やはりカットしなければならないのでしょう。

必要なところをピックアップしたという感じですが、決して内容が薄っぺらくなったとかつまらないといったことはないですね。

面白いし、『レ・ミゼラブル』の世界観を十分味わうことができます。

映画版『レ・ミゼラブル』(2012)もぜひ観てください。

おすすめ!

関連記事映画『レ・ミゼラブル』(2012)が泣ける!【ネタバレあり】で感想を紹介

『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユーゴー)の評価

『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユーゴー)の評判・レビューを紹介します。

レビューサイトでのレビューをいくつかまとめると、

「重厚な読後感が得たい方にはぜひお勧めしたいです」

「これだけの空想世界(他にいい言葉が思いつかない)を昔の人が構想したというだけで圧巻です」

「ジャン・バルジャンが困難とともに生きていく様子は、心を動かされざるをえません」

などの評価がありました。

角川文庫は「読みやすい」という評価も。

長い『レ・ミゼラブル』に挫折してしまった人はコンパクトにまとまり、読みやすくなった角川文庫(上・下)がおすすめ。

読みやすくコンパクトになったとはいえ、重厚な読後感を得られますし、なにより面白いです。

ちなみに『レ・ミゼラブル』角川文庫(上・下)のアマゾンのレビュー点数は3.9。

個人的には4.5をあげていい作品だと思います。

『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユーゴー)のまとめ

世界で読み継がれる名作『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユーゴー)。

ジャン・ヴァルジャンの生涯を軸に、骨太の人間ドラマを味わうことができます。

本書を読み終わったあと、重厚な余韻に浸ることでしょう。

世界の名作をぜひ読んでみてください!



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